モヤモヤの話

正月明けから、展覧会の仕事に忙殺されていました。

今回の展覧会は、京都の若手作家を紹介する展覧会でした。特別出品作家に藤浩志さんを招待して、展示してもらいました。藤さんの作品は、プラスチック製のおもちゃを並べたり、組み合わせた作品で、子供から大人までを惹きつけるとても楽しい作品なんだけど、実はジュラ紀→原油→プラスチック→廃棄される→マイクロプラスチック→海洋汚染問題などと繋がる深い作品でもあります。

藤さんはトークも深くて、私は大好きなんだけど、特にモヤモヤの話が好きです。


藤さんのウェブサイトから一部を抜粋します。

まだ見たことのない世界に立ち会いたい。まだ語られていないことを語りたいのだと思います。

ジャンルや常識にとらわれないプロジェクト(Art Project)の実践のなかで、多くのイメージ(モノ・コト・シクミ・意識
)が形づくられる瞬間に立会ってきました。新しい活動は多くの場合、言葉を持たない(言語化されていない)モヤモヤとした無意識の感覚のようなものと長い時間向き合うことからはじまります。違和感やモヤモヤに向き合うことは、合理性や効率を考えると無駄な活動だと思われ排除されがちです。しかしその現場の周辺では、活動に関心を持つ様々な立場の方々が深く関わり、予想をこえた活動が芽吹き、魅力的な時間が発生することがあります。そこに立ち会えることが何よりも有難く、嬉しい。
https://www.fujistudio.co

藤さんの話によると、
モヤモヤ・違和感→試行錯誤・失敗・調査→計画→予算化→完成→違和感・モヤモヤ
のサイクルになるという話(それだけじゃないんだけど)で、これが妙に腑に落ちました。

研究者も同じようなことをしていますよね。これが、作品(イメージ)になるか、論文あるいは展覧会になるか、のような気がします。

試行錯誤や失敗した時って、「ああ〜、ダメだなあ」とユーウツになってしまうんだけど、実はここがミソだったと思うと、励まされる気がします。

さあ、今日も仕事だ。がんばろう。

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